牧場生活-1週間経過-

只今、稼いだ額は30,000円。毎日牛にいびられながらも着々と貯金が増えているのが嬉しい。今日はここに来て初めての休みだが、外に出る用事も無いので1週間分の牛との格闘を記す。

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round1(2/5)

初出勤。牛はじっとこちらを見て目を離さない。私も立ち向かったが、あまりにゆっくりな時間の流れに耐えられなくなり、止む無く逸らしてしまった。

牛にもカーストがあるらしく、トップは牧場主のおじちゃん、2番目は牛、最後が奥さんと私だそう。言葉通り頭突きされかけたり、尻尾ビンタをくらったり、牛の糞をかいていると突然倒れてきて道具を下敷きにされたりと、牛先輩から洗礼を受けた。

round2(2/6)

疲れすぎて食事もせず風呂にも入らないまま朝を迎え、出勤。牛先輩は今日も朝から元気に大量の糞を排出している。バッキバキの上半身を何とか動かして掃除した。遂に頭突きをくらってしまい、後方に飛ばされた。凄い力でちょっと面白かった。

round3(2/7)

やっと風呂に入ることができ、人間として生きる喜びを実感して朝を迎え、出勤。初日よりも少しだけ体力がついたような気がした。いつも頭突きしてくる牛先輩の名前を覚えた。「ナデシコ

寝ている牛を起こすよう言われ、手でペチペチ叩いて「起きてください」と呼びかけても起きない。強力武器のゴム棒でポンポン叩いてやっと起きてくれた。それでも起きてくれない先輩もいたが。

round4(2/8)

朝カレーを食べて気合を入れ、出勤。日に日に体力がついているのを感じて自信も少しついた。ナデシコ先輩は私に頭突きをするが、主のおじちゃんにはペロペロ舐めて媚びへつらっている。私には鼻息を思いっきりかけてくるが、温度的に温かいので優しさのつもりだろうか。

今日もゴム棒で叩いても、起きない牛は起きない。

round5(2/9)

豊富町の牛乳使用ヨーグルトを飲み、先輩方の有り難みを実感して出勤。糞かき係だった私に新しい仕事をさせてもらえることになった。ミルカー(ミルク搾乳機)を所定の位置に移動させ、先輩方のお乳に消毒液をかけるという大業だ。ナデシコのいる列ではなかったから頭突きは免れたが、糞付きの尻尾が何度も顔にベチっとヒット。痛みを堪えつつ大業をこなした。

round6(2/10)

明日は休みという光を胸に抱き、出勤。仕事は面白くなってきたが、休みを嬉しく思ってしまうからまだまだだ。

昨晩生まれた子牛にミルクをあげた。仕事が終わった後に生まれたらしく、出産には立ち会えなかった。子牛は犬のように尻尾を振りながらミルクを飲んでいて、吸引力が強くて引きづりこまれそうだった。命名権をいただいたが、すぐには思いつかず保留中である。サンチャゴとかどうだろうか。

ゴム棒で叩いても起きなかった牛先輩が、ついに重い腰を上げてくれるようになった。

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こんな感じで1週間が過ぎた。牛に慣れてきたが、あちらはどうなのだろう。糞回収してくれる手下だろうか。仲良くなりたいが、それが無理でもせめて同等の存在に思われたい。

 

牧場生活はまだまだ続く。